ポチ

 僕の数少ない幼少時代の思いでの一つ、ポチの大移動がある。

 夏休み、母親の実家に海水浴に行くことになった。僕は多分5歳。実家は静岡の袋井という所だ。今は便利になったがその当時不便でそこにつくのがほぼ一日がかりであった思い出がある。国鉄で浜松まで、そして軽便という遠州鉄道に乗ってのんびりのんびり、やっとその袋井に着く。

 家の留守を守るのが柴犬のポチである。家と行っても社宅である。同じような家がずーっと続いていて、長屋のようであった。そのポチの面倒を斜め前のお宅に任せ、家族の夏休みをとった。

 親父は、犬小屋ごとそのお宅に預けた。2泊3日後、帰宅すると玄関には犬小屋とポチがいる。斜め前のお宅が帰る日にあわせて移動してくれたのだと家族中が思った。その親切さに家族中そのお宅に挨拶に行く。

 するとどうだろう。「ポチが犬小屋を引っ張っていったのよ」と。3日間、彼は家を僕たちにかわって守り続けていた。

 ハチには叶わないが立派な忠犬ではないか。僕の数少ない幼き頃の思い出である。

 ミケの話は後日ということで。

友人のハワイ土産

友人のハワイ土産、ハワイの葉巻は初めてだ。煙好きの僕にはたまらない。

葉巻の産地はカリブ海を囲む国々が多い。その中でもキューバ産が至極有名である。ゴッドファーザーの各シーンでは葉巻を燻らすマフィアの方々がかっこ良く思える。ゴッドファーザーパート2ではキューバ危機下のアメリカとキューバの関係が描かれている。カストロ政権下において人を始め、全てのキューバ産が貿易対象外となる。その煽りを食らった一つが葉巻であったろう。
アメリカでキューバ産葉巻を燻らすのがある種のステイタスであったと推測する。

タバコだけは先進国ぶる日本において、まっ、僕に言わせれば気づいていないのは日本国民だけのような気がするが。
僕は似非先進国ぶる日本でプハ~~、プハ~~っと煙を吐き出していきたい。機関車のように。

これから、夕食後の一服だ。プハ〜〜だ。

ペンパル

僕は高校時代、ペンパルをしていた。今ペンパルという言葉を知る若者など皆無であろう。ペンパルとはペンの友達である。文通交際みたいなものだ。日本に限らず、英語勉強のため世界に向けてペンパル友達の輪はあった。今はメル友と言う事になるのだろうか?でも絶対に違う。そんな軽くはなく、合った事も無い人に手紙を書く。自分の人生観・近況など結構悩んで文を認めた思い出がある。

当時、ヤマハ音楽出版から「ライトミュージック」という音楽雑誌が出ていて、ペンパル募集ページで九州小倉の女性と文通を始める。約3年間続いた。高校卒業と同時に友人2人と小倉旅行へ。その女性の自宅に3日間御世話になる。彼女はまだ、高校2年生で小倉か福岡の有名女学校に通っていた。到着した日にウェルカムパーティが開かれ、彼女の友達も参加し、楽しい宴がスタートした。そこでフォークギターを持ち込んでパーティに参加する女性に出くわした。TT女史。彼女は小倉では有名なシンガーソングライターでオリジナル等多数披露してくれた。

月日は経ち、彼女が東京に出てきてメジャーデビューを果たすニュースを聞く。そしてTBSの連ドラのテーマソングにも選ばれ順風満帆なミュージシャン生活のスタートとなった。
その後、噂は聞くが結婚後活動を中止したらしい。

そして、長~い長~い空白。
先日、ネットサーフィンをしていて、ふと、彼女のホームページに出くわす。そこには子供の手離れに際し音楽活動を復活するという内容が記してあった。また、ライブスケジュールなども。
そして明日、赤坂に40年ぶりの彼女の歌声を聴きに行く。また、文通相手のM女史の近況等も聞ける。楽しみだ。

けど、心配事が有る。はたして僕の事、覚えているのだろうか?